ウクライナで受刑者の軍入隊可能な新法可決、課題の兵員拡大策

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ウクライナ南部ヘルソン州の陣地で作戦活動に従事するウクライナ軍兵士/Kostiantyn Liberov/Libkos/Getty Images

ウクライナ南部ヘルソン州の陣地で作戦活動に従事するウクライナ軍兵士/Kostiantyn Liberov/Libkos/Getty Images

(CNN) ロシアの侵略に抗戦するウクライナの最高会議(国会)は11日までに、ロシア軍が攻勢を強めている戦況を受け喫緊の課題となっている兵員拡充の一途として、収監中の受刑者の一部に恩赦を与え、軍入隊につなげる新たな法案を可決した。

計330票のうち279票が支持し、11票が棄権、40票が投票しなかった。予備兵員の動員能力については、ロシアはウクライナの少なくとも3倍の規模を持つとされる。ウクライナ政府当局者は新法の成立によりこの不均衡さを一部改善できると期待している。

刑法を変更したこの法が適用される対象者は、残る刑期が3年以下の受刑者。ゼレンスキー大統領が率いる与党「国民のしもべ」の声明によると、殺人、レイプ、小児性愛、公職に絡む汚職や国家安全保障に関連する犯罪などで収監された受刑者は対象外となっている。

新法では、受刑者の自発的な志願を想定。入隊期間が満了する前に除隊した場合、5~10年の刑期が追加されるという。入隊者の従軍期間がどれほどになるのかは伝えられていない。

希望者は最初に恩赦を申請し、収監されている矯正施設で健康診断を受け、精神的かつ身体的に兵役に適するかどうかを決める。その後、裁判所が当該の受刑者の釈放の是非を判断する。釈放を許した場合、受刑者は国家警備隊へ着任する方式となる。

兵役は病気になったり、新たな犯罪に関与したりすれば取り消されることもある。

最高会議の国家権力問題などに関する委員会の委員長によると、入隊のための釈放を得た受刑者には「軍人」としての地位が付与され、兵士としての通常の行動規範の順守が求められる。戦場での勝手な退却、武器使用の拒絶、脱走や自発的な投降などは禁止されるとした。

ロシアはウクライナ侵略を始めた初期の段階で刑務所で受刑者を勧誘し、激戦の戦場へ投入する手段を講じている。受刑者の「使い捨て」戦術との非難も浴びている。ただ、従軍後に一般社会へ復帰したこれら受刑者が新たな犯罪に手を染め、再び逮捕されるとの副作用も問題化している。

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