ロシア、ウクライナ北部へ奇襲攻撃 ここ2年で最も重大な越境攻勢

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ウクライナのゼレンスキー大統領=4月、ウクライナ首都キーウ/Alina Smutko/Reuters/File

ウクライナのゼレンスキー大統領=4月、ウクライナ首都キーウ/Alina Smutko/Reuters/File

(CNN) ロシア軍がウクライナ北部へ2回の越境攻撃を仕掛けたことが分かった。ウクライナの情報筋や当局者が明らかにした。これについてウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアによる「新たな反転攻勢の波」だとの認識を示している。

ウクライナ軍の情報筋がCNNに語ったところによると、ロシア兵はまず、国境の町ボルチャンスクへ向け約1キロ侵入した。侵入の目的は「10キロの深さまで入り、ロシア領に戦争の影響が及ばないよう国境緩衝地帯を構築することにあった」という。

ウクライナ国防省は公式声明で、装甲車の支援を受けたロシア兵が10日午前5時ごろ国境を越えたと説明。国境地帯ではこの前日、誘導型の航空爆弾や火砲による攻撃が激しさを増していたと明らかにした。

声明はまた、一帯の防御を強化する目的でウクライナ軍の予備部隊が投入されたとも明らかにした。

前線の状況を直接知る2人目の情報筋によると、ロシア軍がウクライナ国内に5キロ侵入し、国境沿い約75キロに位置するクラスネ村へ向かう場面もあったという。クラスネはボルチャンスク西郊に位置する。

この情報筋によると、クラスネへ向かうロシア軍の攻撃は4個大隊の約2000人が実施した。

ウクライナ当局は2度目の攻撃について詳しい情報を公表していないものの、ウクライナ軍参謀本部は10日夜、クラスネ周辺と隣接する二つの村でロシアの攻撃があったと指摘した。

一連の動きについて聞かれたウクライナのゼレンスキー大統領は、事態の重大さを否定しなかったものの、ウクライナ軍はそうした動きを予期していたと説明。「ロシアは(北部ハルキウ州で)新たな反転攻勢の波を仕掛けている。ウクライナは兵員や部隊、火砲で対抗した」としている。

今回の攻撃はウクライナが2022年晩夏にハルキウ州を奪還して以降、最も重大な越境地上攻撃となる。ハルキウ州は全面侵攻開始当初にロシアが奪取していた。

ハルキウ市に対するロシアの航空攻撃はこのところ増加しており、市内の発電施設や変電所が壊滅状態になった。

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