ロシア、米国の武器到着までの「好機」に攻撃激化か 西側分析
(CNN) 西側の情報当局者らは、米国からの武器や弾薬がウクライナの前線に届くまでの時間をロシアは「好機」ととらえ、その間に地上と空からの攻撃を強めようとしていると分析している。最新の戦況評価を直接知る当局者3人がCNNに明らかにした。
米国ではウクライナへの軍事支援などを盛り込んだ法案が先月、成立した。当局者らは、米国で資金が確保されてから、戦況に大きな影響を及ぼす武器などが大量に到着するまでに時間がかかると指摘。到着の遅れにロシアは付け込むとみている。
8日未明にかけてロシアはミサイルとドローン(無人機)を用いて大規模な攻撃を行った。ウクライナ当局者によると、ロシアはミサイル55発とドローン21機でウクライナ各地のエネルギーインフラを攻撃した。同国最大の電力会社は、この6週間で同社の施設が攻撃を受けるのは5回目だと明らかにした。
米国のウクライナ支援法は先月、イスラエルや台湾への支援とともに成立した。共和党の右派が法案に反対していたために、下院での採決には数カ月を要した。
法案の採決と成立の遅れにより、ウクライナ軍は領土と人員の両方で犠牲を払うことになったと当局者らは指摘する。ロシア軍はウクライナ軍の武器不足というこの絶好の機会が失われる前にさらに前進すると予想される。
西側諸国とウクライナの当局者は、激しさを増す当面の攻撃は、ロシアが計画している初夏の大規模攻撃につながるとみている。ウクライナ軍が人員不足に直面している中、同国や米国の当局者は、ロシアが部分的な動員をかけることも懸念している。
米軍当局者はCNNに、ウクライナは今後数週間、「戦線を維持するだけで精一杯だろう」との見方を示した。