欧州議会の極右連合、独AfDを除名 同党候補者のナチス親衛隊に絡む発言受け
(CNN) 欧州連合(EU)の議会、欧州議会の極右連合が23日、ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を除名すると発表した。これに先駆け、来月の欧州議会選挙に同党から出馬する主要候補が、第2次世界大戦中のナチス親衛隊(SS)について発言していた。
欧州議会における極右の政治会派、「アイデンティティーと民主主義(IDグループ)」は声明を出し、ドイツの代表であるAfDを即座に除名すると明らかにした。
声明では、同党が欧州議会選の候補者リストのトップに載せているマクシミリアン・クラ氏に言及。連合として同氏にまつわる出来事に関連づけられることを望まないとした。
クラ氏は既に自党からも公の場に出ることを禁じられている。きっかけは先週末、伊紙レプブリカの取材で発したSSに関するコメントが物議を醸したことだった。
同紙とのインタビューで、クラ氏は次のように語ったとされる。「誰かを犯罪者だと宣言する前に、その人物が何をしたのか知りたい。90万人のSS隊員の中には、多くの農民もいた。確かに犯罪を犯した者の比率は高かったが、全員ではなかった。SSの制服を着ていれば誰でも自動的に犯罪者になると言うつもりは全くない」
SSはヒトラーを支えた主要な準軍事組織で、第2次大戦中は強制収容所の警護で中心的な役割を果たした。
フランスの極右指導者で政党「国民連合」を率いるマリーヌ・ルペン氏も、来月の欧州議会選でAfDと同じ会派を構成するつもりはないと述べた。
AfDは22日、クラ氏の物議を醸す発言で党の選挙活動が大きな痛手を被ったことを認めた。
その上で同氏が自らの行動の「全責任」を取り、党幹部の役職を直ちに退くことで合意したと付け加えた。