実刑判決のイラン映画監督、欧州へ脱出

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2017年5月19日、カンヌ国際映画祭に出席したモハマド・ラスロフ監督/Andreas Rentz/Getty Images/File

2017年5月19日、カンヌ国際映画祭に出席したモハマド・ラスロフ監督/Andreas Rentz/Getty Images/File

(CNN) イランの著名な映画監督で、国家安全保障にかかわる罪に問われ実刑判決を言い渡されたモハマド・ラスロフ氏が、国外へ脱出した。

ラスロフ氏は13日、インスタグラムを通してイラン政府を「独裁的」「抑圧的」な体制と批判し、自身が山岳地帯の国境を越える場面の映像を投稿。「地理的なイランが宗教的独裁の軍靴に踏みにじられているとすれば、文化的なイランはその残忍さに出国を強いられた何百万人ものイラン人が共有する精神の中に生き続けている。私もきょうから、文化的イランの住人だ」と述べた。

同氏はまた、報道担当者を通して12日付の声明を発表し、脱出を決めた理由について、弁護士から禁錮刑が急な連絡で執行されることを聞いたからだと説明した。収監か出国かの選択を迫られ、泣く泣く亡命を選んだという。

脱出先は欧州だが、具体的な場所は非公開。本人は友人や知人の助けを借りて秘密裏に脱出したと述べるにとどまっている。

ラスロフ氏は先週、映画やドキュメンタリーの内容をめぐり、禁錮8年とむち打ちの刑を言い渡された。

同氏は2017年のカンヌ映画祭で「ぶれない男」がカンヌ映画祭「ある視点」部門のグランプリを受賞し、20年にはベルリン国際映画祭で「悪は存在せず」が最高賞「金熊賞」に選ばれた。

最新作「The Seed of the Sacred Fig(原題)」は来週、カンヌ国際映画祭でプレミア上映される予定だが、本人が参加できるかどうかは明らかでない。

ラスロフ氏はインスタグラムに、同作品の最後の仕上げ作業を急ぐと書き込んだ。また、製作に協力した多くの人々の身を案じていると述べ、イラン政府は製作チームに尋問や裁判、移動制限などの圧力をかけていると指摘した。

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