ウクライナ、ロシア西部の化学工場に「ドローン攻撃」
(CNN) ウクライナ保安局(SBU)は、ロシア西部トゥーラの化学工場をドローン(無人機)で攻撃したと発表した。ロシア当局は被害を認めていない。
標的はモスクワから南へ約200キロ離れた化学工場。SBUと軍の特殊部隊が攻撃を実行した。
SBUによると、8日から9日にかけて少なくとも13機のドローンが同工場に突撃し、爆発とともに煙が立ち上った。従業員らは避難したという。
主な標的だった火薬製造部門からは、放出された成分を示すオレンジ色の煙が出た。
情報筋によると、同じ地区の火力発電所でも、送電線が損傷する被害が確認された。
SNSには攻撃現場の映像が投稿され、CNNが真偽を確認した。
SBUによれば、この工場ではロシア軍が使う火薬や弾丸が生産されている。攻撃を受け、ロシア各地で午後9時半前後に警報が鳴り響いた。
SBUの情報筋は、ロシア国内でウクライナ侵攻にかかわる施設に対する「包括的な作戦」を展開していると説明。「武器庫や軍の飛行場、軍需産業を攻撃することにより、ロシア軍がわが国を脅かす能力を低下させることができる」と述べた。
トゥーラ州のミリャエフ知事は9日、ウクライナによるドローン攻撃がロシア国防省の防空部隊によって阻止されたとする声明を出したが、化学工場には言及しなかった。落下した破片で民家1棟の窓ガラスが損傷したものの負傷者はなく、事態は収拾されていると主張した。
ロシア国防省も「ウクライナが昨夜、ドローンを使ってロシア領内の施設に対するテロ攻撃を試みたが、阻止された」と発表した。