反ユダヤの攻撃計画か、豪当局が未然に阻止 トレーラーに大量の爆発物
ブリスベン(CNN) オーストラリア当局は30日までに、多数の死傷者を出す恐れのあった攻撃を未然に阻止したと発表した。ニューサウスウェールズ州のシドニーで大量の爆発物を積んだトレーラーが見つかり、ユダヤ人社会への攻撃を企てていた形跡がみられたという。
ミンズ州首相は29日、トレーラー発見をめぐる情報が地元メディアに流出した後の記者会見で、多くの犠牲者が出る可能性があったと述べた。
州警察の幹部によると、警察はこのトレーラーについて通報を受け、19日に同州ドゥラルの農村部で発見した。積載されていた爆発物は採鉱現場から盗まれたとみられ、爆発の威力は直径40メートルの範囲に及ぶ可能性があった。
ミンズ氏は30日、車内からユダヤ系の標的を記したリストが見つかったことを確認した。
同幹部は、ユダヤ人社会への今回の脅威は食い止められたとの見方を示した。一方で、シドニーで最近相次いだ落書きや放火などの反ユダヤ攻撃から、手口がさらにエスカレートしている可能性を指摘した。
州警察の責任者は30日の会見で、起爆装置は発見されなかったこと、トレーラーの所有者が別件で拘束されていることを明らかにした。
警察は19日の時点で脅威を認識していたという。同責任者は発表が遅れた理由として、情報流出は捜査の妨げになったと説明。現時点でもこれ以上の情報公開は控えるとの方針を示した。
州警察と連邦警察、豪保安情報機構(ASIO)などによる対テロ合同チームが捜査に乗り出し、100人以上の要員が出動して、犯行計画に関与した人物らを追っているという。