イタリア全土で移動制限 刑務所で相次ぐ暴動、医療現場は崩壊寸前

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暴動があったモデナの刑務所で刑務官らが警戒に当たる様子/PIERO CRUCIATTI/AFP/Getty Images

暴動があったモデナの刑務所で刑務官らが警戒に当たる様子/PIERO CRUCIATTI/AFP/Getty Images

(CNN) イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は9日、新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めるため、同国北部を対象としていた移動制限などの措置を全土に拡大すると発表した。公共イベントも全て禁止するとした。

コンテ首相はこうした対策について、国民、特に弱者を守るための措置と位置付ける。イタリアでは各地で刑務所の暴動が起きるなど、混乱が続いている。

ローマ中部の刑務所の屋根から煙が立ち上る様子=9日/ALBERTO PIZZOLI/AFP/Getty Images
ローマ中部の刑務所の屋根から煙が立ち上る様子=9日/ALBERTO PIZZOLI/AFP/Getty Images

イタリアで新型コロナウイルスのために死亡した人は8日以来で97人、合計で463人に達した。これまでに確認された症例は9172例と、欧州では最も多い。

北部のロンバルディア州で集中治療態勢の調整に当たっている関係者はCNNの取材に対し、同州の医療現場は「崩壊の一歩手前」にあると語り、「今や廊下での集中治療態勢整備を強いられている」「病院の区画は全て重症者のために開放した」と説明。今の状況を「患者の津波」状態と形容した。

北部地域を対象とする封鎖措置では、移動制限を徹底させるため、国家治安警察隊(カラビニエリ)と各地の警察が幹線道路や一般道で検問を行うことになっていた。鉄道では鉄道警察や保健衛生当局の職員などが検温装置を使って警備に当たる。

空路で対象地域に到着または出発する旅行者は、渡航規制の免除措置が適用されているかどうかをチェックされる。

ベネチアに到着したクルーズ船では下船が認められず、乗客は居住地や出身国に戻らなければならない。

ミラノ北方にあるスイスとの国境の税関で車が列をなしている/MIGUEL MEDINA/AFP/Getty Images
ミラノ北方にあるスイスとの国境の税関で車が列をなしている/MIGUEL MEDINA/AFP/Getty Images

司法省によると、各地の刑務所では9日、面会が禁止されたことを受けて多数が受刑者に圧倒され、脱獄や看守の誘拐事件が相次いだ。

暴動は22の刑務所に広がり、複数の受刑者が死亡した。一部の刑務所では受刑者に占拠された状態が続いている。

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