「バドライト」の親会社、取締役2人を休職に トランス女性とのコラボへの批判後
ニューヨーク(CNN) 米ビール大手アンハイザー・ブッシュが、同社のブランド「バドライト」に携わる幹部2人を休職としたことが25日までに分かった。2人はトランスジェンダー女性のインフルエンサーとのコラボレーション事業を管理していた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)などが報じた。
アドエージが最初に伝えたところによると、休職となったのはバドライトのマーケティング担当副社長、アリッサ・ハイナーシェード氏。後任には「バドワイザー」ブランドのグローバルマーケティング担当副社長を直近で勤めていたトッド・アレン氏が入る予定。WSJによれば、アンハイザー・ブッシュの主力ブランドのマーケティングを統括するダニエル・ブレーク副社長も休職となった。
アンハイザー・ブッシュにコメントを求めたが返答はなかった。
幹部の入れ替えに先駆け、バドライトにはトランスジェンダーの活動家からの支持と保守系メディアからの批判の両方が寄せられていた。発端はトランスジェンダー女性のインフルエンサー、ディラン・マルベイニーさんとのコラボレーションだ。マルベイニーさんはインスタグラムとTikTok(ティックトック)でそれぞれ180万人、1080万人のフォロワーを抱える。
アンハイザー・ブッシュは先週CNNの取材に答え、時々ブランドのファンやマルベイニーさんのようなインフルエンサーを記念してユニークなデザインを施した缶を製造していると説明。今回の記念缶は個人の節目を祝福するギフトであり、一般向けに販売するものではないと述べていた。
マルベイニーさんが自身の記念缶についてインスタグラムへ投稿した数日後、ミュージシャンのキッド・ロックさんはインスタグラムにバドライトの缶が入ったケースを銃で撃つ動画を投稿。保守派は同社の不買運動を呼び掛けた。アンハイザー・ブッシュに脅迫が届く事態にもなっていた。
今回休職となったバドライトのハイナーシェード氏は最近のポッドキャスト番組のインタビューで同ブランドについて、若年層を引き付けることで将来を確かなものにする必要があると主張。その一つの手段がインクルーシビティー(包摂性)の推進だとの認識を示した。
バドライトはLGBTQ+などの性的少数者の支援団体と協力関係にあり、過去にはプライド月間に合わせてレインボーカラーのボトルを販売したこともある。