プーチン氏、ウクライナに「ミサイル決闘」呼び掛け ゼレンスキー氏は「愚か者」と反応
(CNN) ロシアのプーチン大統領が19日の年次記者会見でウクライナに「ミサイル決闘」を呼び掛けたのに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領はプーチン氏を「愚か者」と呼び、痛烈な反応を示した。
プーチン氏は会見中、ウクライナのドニプロに対して最近発射した核搭載可能な新型弾道ミサイル「オレシュニク」の性能を自賛。オレシュニクでウクライナを攻撃するという先日の脅しを繰り返し、欧米供与の防空システムを試す目的で首都キーウに発射する考えをほのめかした。
プーチン氏は「彼らにある種の技術的実験、いわば21世紀版のハイテク決闘を提案してもらおう」と言及。「攻撃対象となる何らかの目標、たとえばキーウ市内の目標を指定してもらい、彼らは持てる全ての防空・ミサイル防衛部隊をそこに集中させる。その後、我々はオレシュニクでその場所を攻撃する。何が起きるか見てみよう」と述べた。
そのうえで「我々にはそうした実験の用意がある。いずれにしても、排除はしない。そうした実験、技術的決闘を実施し、何が起きるかを確認する。興味深い試みだ」と付け加えた。
ゼレンスキー氏はこの発言の抜粋をX(旧ツイッター)に投稿した上で、英語で「人々が死んでいるというのに、彼はそれを『興味深い』と考えている。愚か者だ」とコメント。ウクライナ語でも同様のコメントを投稿した。
プーチン氏は19日の発言の冒頭、ウクライナ戦争に関しても同様の軽口をたたき、戦争のおかげで人生がより面白くなっているとの認識をほのめかした。
「すべてが平穏で落ち着き、安定していると退屈に襲われる。停滞だ。何らかの行動が必要になる。ひとたび行動が始まると、すべてが頭の脇を通り過ぎる」「残念ながら、いまは銃弾が音を立てて飛んでいる状況だ」としている。
19日に行われたプーチン氏の年末の記者会見は、公開の質疑応答に市民からの電話を組み合わせる形で構成された。この会見は毎年、国家のあらゆる側面を全面掌握していることを誇示する目的でプーチン氏が開催している。