高級テキーラを中国に売り込め、生産者が熱視線
ニューヨーク(CNNMoney) 中国を米国に次ぐ世界第2の大市場へ――そう狙っているのは、メキシコが誇る蒸留酒テキーラの生産者たちだ。この問題は6月上旬に行われた中国とメキシコの首脳会談でも取り上げられ、両国はテキーラ輸出の増加で合意した。
「今後5年で1000万リットルのテキーラの対中輸出を見込んでおり、そうなれば中国は米国に次ぐ第2位の市場となる」と語るのは、メキシコのテキーラ産業全国組合のフランシスコ・ソルテロ・ヒメネス氏だ。
最近まで中国は健康被害を防ぐためとして、1リットルあたり2グラムを超えるメチルアルコールを含むリキュール類の輸入を規制。リュウゼツラン100%で作られた高級テキーラの多くがこの基準に抵触し、昨年の対中輸出量は41万キロリットルにとどまっていた。
メキシコは現在、100を超える国々にテキーラを輸出しているが、このうち80%近くが米国向け。一方、中国ではコニャックやウイスキーなどの蒸留酒類が年間50億リットル消費されており、特にビジネスディナーの席では酒は欠かせない。
「今後は北京や上海、香港での広告を増やす。年内にはホセ・クエルボなどの高級テキーラを大々的に売り出す予定だ」とヒメネス氏は言う。
市場調査会社フロスト&サリバンのクリストファー・シャナハン氏は、国民の可処分所得の増加により、長期的には中国は米国を上回る規模の市場となるかも知れないとの見通しを示す。
「中国の消費者はぜいたくで他にはない外国製品に金を使い、自らの社会的地位をおしゃれなやり方で高めようとしている」とシャナハン氏。テキーラはそうした演出に絶好の小道具だというわけだ。