米空港で相次ぐ不正侵入、100億円のシステムでも防げず
ニューアーク空港などニューヨーク周辺の空港は、外部からの侵入に備えた検知システム(PIDS)を装備し、いずれも米軍需品メーカー、レイセオン製を採用している。同社のサイトによると、このシステムは「保安区域に入ろうとする侵入者の検出や追跡」が可能で、価格は1億ドル(約105億円)。監視レーダーや動作検知機能を備えたビデオカメラ、「スマート」フェンスなどで構成されるという。
しかし当局によると、ニューヨーク市のJFK国際空港でも先週、侵入者がフェンスを乗り越える事件があった。同システムは侵入者を検知していたが、容疑者が確保されたのは10分後だったという。
25日にはアリゾナ州のフェニックススカイハーバー国際空港でも、49歳の男が不法侵入の疑いで警察に逮捕された。管制官がフェンスを乗り越えて滑走路を走る男を発見し、連絡を受けたサウスウエスト航空機がエンジンを停止。男は同機のエンジンをたたいた後にターミナルに向かい、拘束された。男は酔っていた様子だったという。
フェニックス空港では数年前、費用対効果が見込めないとしてPIDSの導入を見送り、空港職員による警備を強化するなどの対応を決めていた。