頭上を走るスカイタクシー、実用化へ向け前進 イスラエル
ニューヨーク(CNNMoney) 磁気を利用して地面から6~9メートル上に位置する軌道を滑るように走る公共交通システム、「スカイトラン」の実験プロジェクトが、イスラエルのテルアビブで10月下旬からスタートする。
同システムは米スカイトラン社が5年がかりで開発し、イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ社と共同で車両を開発。実験プロジェクトでは、同社の敷地内に軌道を敷設して約274メートルの距離を走行させる。
車両は4人乗りで最高速度は時速約100キロ。最初は1台で実験を開始し、いずれ数台に増やして実用化を目指す。順調に行けば、2018年までにイスラエルで少なくともあと3都市と、米国の複数都市に拡張できる見通しだという。
スカイトランのジェリー・サンダース最高経営責任者(CEO)によると、頭上を走る公共交通機関は鉄道や地下鉄に比べてコストが抑えられ、建設もしやすく環境にも優しい。
地下鉄の建設には1キロ当たり1億~20億ドル(約120億~2400億円)のコストがかかるのに対し、スカイトランの場合は約800万ドル。車両1台のコストは2万5000~3万ドル程度で、エネルギー消費はハイブリッド車の3分の1で済む。リニアモーターカーと同じ磁気浮上技術を利用しているため、電力供給が安定しない国でも有望だという。
米国ではメリーランド州ボルティモアやカリフォルニア州イングルウッドなど複数都市が関心を示しているといい、同社はボルティモアで来年にも建設に着工したい意向。フランス・パリのシャルル・ドゴール空港も導入を検討しているという。