中国工商銀に資金洗浄容疑、スペインで犯罪組織に加担か
香港(CNNMoney) 欧州警察機構(ユーロポール)などは17日、中国の銀行最大手である国営・中国工商銀行(ICBC、本店・北京)のマドリード支店が資金洗浄(マネーロンダリング)に加担した疑いでスペインの警察の捜索を受け、職員5人が逮捕されたと発表した。
捜査の経緯に詳しい消息筋によると、逮捕者の中には幹部1人が含まれる。ICBCは、中国の犯罪組織がスペイン当局からの課税を避けるために適正な税関申告を行わず、大量の商品を輸入した違法行為で資金洗浄に加担した疑いがある。
また、中国やスペインの犯罪組織が密輸、税金詐欺や労働搾取などで稼いだ金を正規の金融ネットワークに紛れ込ませた疑いもある。結果的に、合法手段を装う方法で中国に金を流入させていたともみられる。
ユーロポールは声明で、今回の疑惑には少なくとも4400万ユーロ(約55億円)が絡むとし、資金洗浄の経路はフランスやドイツ、リトアニアにも広がっていることを突き止めたと述べた。
ICBCは2011年にスペインでの業務を開始した。同銀は世界最大手の銀行とされ、総資産は約3兆米ドル(約342兆円)。
マドリード駐在の中国大使館は声明で、スペイン内で活動する中国の団体は地元や中国の法規を順守していると強調、今回の事態の進展を注視していると述べた。