イケア、タンス2900万個をリコール 転倒で子ども死亡
ニューヨーク(CNNMoney) スウェーデンの家具大手イケアは28日までに、米国で2900万個のタンスをリコールすると発表した。子どもが倒れたタンスの下敷きになって死亡した例が、これまでに数件報告されている。
イケアによると、同社の「マルム」シリーズなど3~6段の引き出しがあるタンスで、子ども用は高さ60センチ以上、大人用は同75センチの商品が対象。壁に正しく固定しないと転倒する恐れがある。全商品とも今月まで販売されていた。
返品した顧客に代金の全額または一部を払い戻す措置と、無料で壁に固定具を取り付ける措置が発表された。
返品を希望する場合は最寄りの店舗へ持ち込むか、無料回収を手配する。製造時期が2002年1月1日から16年6月28日までなら全額が返金され、01年12月以前なら50%、不明の場合は50ドル相当の商品券で補償される。
米消費者製品安全委員会(CPSC)のケイ委員長は28日、「米国内では家具やテレビの転倒に関連した事故で、2週間ごとに1人の子どもが亡くなっている」と指摘。「今すぐに行動すれば子どもの命を救うことになるかもしれない」と、消費者にリコールへの対応を呼び掛けた。
イケアのタンスにかかわる死亡例は1989年以降、計6件報告された。同社は昨年7月、幼児2人が亡くなったことを受けて固定具の交換品を出し、修理サービスを開始していた。さらに最近、ペンシルベニア州で2歳児の死亡が報告されたことをきっかけに、リコールを決めたとしている。
同社によると、現在残っているタンスの在庫は業界の基準に適合している。不合格の商品については現在改良中だという。