ミシュラン調査員に聞く舞台裏<上> 世界最高の仕事?
(CNN) ミシュランガイドの調査員の職とはどんなものかと常々不思議に思ってはいないだろうか。
世界最高級のレストランで食事をするのが大変な仕事だとはとても感じられない。だが、ミシュラン調査員の生活には、次から次へと高級食材を食べること以外にも多くの仕事がある。
ミシュランガイドは1900年、初期の自動車利用者向けの簡便な旅行ガイドとして登場。美食にまつわる全ての事柄についての国際的な権威に成長していった。
CNNは今回、英国・アイルランド版ミシュランガイドの編集者を務めるレベッカ・バー氏に話を聞いた。バー氏は現在の仕事に移る前、12年間にわたり調査員として勤務。20年近くミシュランに在籍している。
夢のチケット
バー氏は英国に生まれ、料理学校に通い、9年間シェフとして働いた後、1998年に業界誌で調査員募集の広告を見つけて応募、この職を手に入れた。すぐに6カ月の訓練が始まり、先輩調査員に付いて仕事のコツを学んだ。
調査員は匿名で予約を取り、自ら料金を支払う。食事の後は詳細な報告書を執筆するほか、報道をチェックしたり、料理の写真を撮ったりもする。自身の見解を固めるため、必要な限り何度でもひとつの場所を訪れる。
1年に少なくとも275回はレストランで食事し、毎月3週間にわたり出張している。
バー氏は「ミシュランが非常に真剣な会社だとすぐに気付いた。ガイドにこれほどの仕事量を投入しているとは全く想像してなかった」と話す。