中国資本によるシカゴ証取の買収、米SECが認めず
ニューヨーク(CNNMoney) 米証券取引委員会(SEC)は18日までに、中国の重慶財信企業集団率いる投資家グループが進めていたシカゴ証券取引所の買収を認めない方針を明らかにした。
15日付の通知で、買収後の取引活動が適切に実施されるかなどについて様々な懸念が生じていると指摘した。
買収の是非に関する審査の過程で投資家グループから必要とする全ての情報入手が果たせなかったと説明。買収交渉に絡む一部の事業主体の資金の出所などの詳細に関する情報不足などを例に挙げた。
今回の買収交渉は2016年2月に発表されていた。国家安全保障に関係する外国取引を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)が同年12月、安全保障の維持に関連し解消出来ないでいる懸念はないとして買収を認めていた。
ただ、昨年夏にかけて米連邦議会の議員11人がSEC委員長に書簡を送り、「中国内における透明性の深刻な欠如」への懸念を表明。買収後の取引で不適切な影響力や管理の行使の防止が困難になるとの見解を示していた。
シカゴ証券取引所は16日、ブログ上でSECの今回の決定への失望を示し、「世界の2経済大国の間に相互互恵的な経済の橋を架け渡す前例のない好機を否定した」と批判した。