働く母親が直面する「賃金格差」、80年代から縮小せず 米研究
子育て中の母親全体のうち仕事を持つ女性の割合は、1975年に47%だったが2015年には70%に増えた。それでも育児ペナルティが減らないのはなぜか。
米国はスウェーデンなど他国に比べ、有給の育児休暇や保育費用の補助など、子育て支援策の整備が進んでいないからだと、研究者らは指摘する。
ミスラ教授は「育児ペナルティを軽減するには保育費用の一律補助が最も効果的だ」と強調する。
職場側に有給の育児休暇制度を義務付けることも対策の一つだが、休暇期間を昇格に必要な勤続年数に算入するかどうかなど、課題は残る。
育児休暇を取ったために差別を受けたとして、女性が職場を訴えるケースもある。訴訟の件数は近年急増しているものの、ミスラ教授によれば氷山の一角にとどまっている。
雇用機会均等委員会(EEOC)の予算不足が解消して調査体制が充実すれば、職場側の意識も変化するはずだと、ミスラ教授は指摘している。