オペラハウスの競馬広告で物議、「ギャンブル大国」の影映す 豪州
最新統計によると、オーストラリアのギャンブルへの支出総額は2016~17年度の1年間で237億オーストラリア・ドル。国民の大人1人当たりの換算では1251ドルに相当する。
「ギャンブル問題」を抱える人は、200人中1人に当たる11万5000人。リスクありと見なされた人は合計で28万人に上る。
競馬やカジノに加えてポーカーマシンがギャンブル業界にもたらす収益も大きい。全土で約20万台が設置され、州によっては1回で7500ドルを費やすこともできる。
同国で長年にわたってギャンブル反対を訴えてきたティム・コステロ氏は「(ポーカーマシンだけでも)毎年400人以上のオーストラリア人が自ら命を絶っている。その数は、銃による死者よりもはるかに多い」と指摘する。
オーストラリアの政治家は長年にわたってギャンブル業界を支持し、改革の取り組みを避けてきた。モリソン首相も7日、オペラハウスをエベレスト杯の宣伝に使うことについて支持を表明している。
コステロ氏によると、各州政府とも予算はギャンブルからの収益に大きく依存する状況が続く。
加えて学術調査によれば、前回の連邦選挙が行われた年には、ギャンブル業界がオーストラリアの政党に対して100万ドル以上を寄付していたことが分かっている。