ユナイテッド航空が救難信号 シドニー空港、一時厳戒
(CNN) 米ロサンゼルスからオーストラリアへ向かっていたユナイテッド航空の旅客機が4日、燃料が残り少なくなったことから救難信号を発信した。これを受けてシドニー空港は一時的に閉鎖され、周辺でも厳戒態勢が敷かれた。
警察によると、現地時間の午前6時ごろ、ユナイテッド航空839便からトラブル発生の報告が入ったことを受けて、厳戒態勢を発動。同便が着陸準備に入る中、空港周辺の幹線道路を一時的に封鎖した。
ユナイテッド航空は、同機が「機械系統の問題」に見舞われたと発表した。同機は無事ゲートに到着し、乗客は全員が普通通りに降りたとしている。
オーストラリアの航空当局によれば、同機は到着間際になって燃料が残り少なくなったため、規定に従って救難信号を発信した。広報では「これは予防のための措置であり、乗客が危険にさらされる場面はなかった」と説明している。
国際定期航空操縦士協会連合会によると、世界の航空規定では、着陸までの間に残された燃料が一定量を下回った場合、救難信号を出して燃料非常事態を宣言することが義務付けられている。
非常事態を受けて同機の乗員や管制塔は緊張に包まれたと思われる。しかし同機に搭乗していたCNN系列局ナインニュースの記者によると、乗客は何も知らされていなかったという。
「差し迫った事態にあることや、救難信号が発信されたことをうかがわせる様子は何もなく、一切言及もされなかった」「着陸の際は、ずいぶんたくさんの照明が点滅しているとは思ったが、デンバーやワシントンで見た緊急車両の照明ほどではなかった」と同記者は伝えている。
空港に着陸した同機は、緊急車両に守られながら、ゲートに到着した。