ドイツ銀行に家宅捜索、資金洗浄関与の疑いで
ロンドン(CNN Business) ドイツの検察当局は29日、フランクフルトにあるドイツ銀行の本部などを一斉に家宅捜索した。マネーロンダリング(資金洗浄)に対する捜査の一環としている。
検察の声明によると、ドイツ銀行はクライアントの租税回避地での会社設立を手助けした疑いが持たれている。今回の捜索では同行の従業員2人をはじめ、身元の明かされていない複数の人物が対象となった。
ドイツ銀行と検察側はともに、今回の捜索が「パナマ文書」問題に絡んだものであることを認めた。パナマ文書は2016年に公開された膨大な量の内部文書で、中米パナマにある法律事務所から流出。その調査を通じてマネーロンダリングのネットワークや租税回避地での会社設立などの実態が明らかになっていた。
検察によると、ドイツ銀行の子会社は英領バージン諸島の拠点で900人以上の顧客を抱え、16年だけで3億1100万ユーロ(約400億円)相当の取引を行っていたという。同行は声明で、パナマ文書に関するすべての情報をすでに当局へ提出したと説明。今後もさらに詳細な情報を開示することで、当局に協力する方針を示した。
国内最大手のドイツ銀行は約9万5000人の従業員を雇用し、1兆4000億ユーロ相当の資産を有する。