米、同盟国にファーウェイ製品の使用中止を要請
ニューヨーク(CNN) 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は23日、米国が同盟国に対し、中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)の製品を使用しないよう求めていると報じた。
事情に詳しい複数の情報筋の話として伝えた。これによると、米当局者は米軍基地のある国に対し、無線ネットワークやインターネットにおけるファーウェイ製品の使用を禁じるよう要求している。
米軍は機密性の高い通信には安全なネットワークを使用しているが、ドイツやイタリア、日本といった国ではトラフィックの多くは依然として商用ネットワークを通過しており懸念されている。米当局者はこうした国の政府代表者や通信会社幹部と会談し、官民のネットワークからファーウェイ製品を排除するよう促しているという。
米当局者はファーウェイ製品について、サイバー攻撃のリスクを増大させ、IoT(モノのインターネット)の領域で中国による通信傍受や接続遮断を許す可能性があるとしている。
当局者の1人はWSJに対し、「世界各国に働きかけ、通信インフラ内の脅威に関して懸念を伝えている」と説明。次世代通信規格「5G」は複雑さが増し、サイバー攻撃に対しより脆弱(ぜいじゃく)になるとも指摘した。
ファーウェイは23日、CNN Businessの取材に、同社の製品は世界170カ国の顧客や大手通信会社50社のうち46社から信頼を獲得していると強調。「記事内で詳述された米政府の行動に驚いている」と述べた。
米情報機関はかねてファーウェイやZTE(中興通訊)の製品に懸念を表明してきた。国防総省は5月、米軍基地での両社のスマートフォンの販売を中止するよう指示。2月には、中央情報局(CIA)などの連邦機関のトップが上院で、こうした企業のスマートフォンが米国の顧客のセキュリティー上の脅威を及ぼしていると証言していた。