満員の長距離列車、走行中に連結外れて客車離れる 米NY
(CNN) 感謝祭の連休で混雑する長距離列車アムトラックで、走行中に機関車と客車の連結が外れ、客車2両が離脱する事故があった。乗客乗員287人は全員無事だった。
アムトラックの広報によると、21日午後7時20分ごろ、カナダのモントリオールから米ニューヨーク市へ向かっていた列車の客車2両が、ニューヨーク州アルバニーを走行中に離脱した。乗客は約2時間後、別の列車に乗り換えた。
アムトラックは、安全システムが正常に作動して、分かれた列車は安全な距離を保った状態で停止したと説明。連結が外れる事故は「極めてまれ」だとして、車両の点検を行って原因などを調べている。
乗客の男性によると、車内は混雑していて座席はほとんどが埋まっていた。物音が聴こえたので振り向くと、後続の車両が分離していたといい、乗客の1人が非常用ブレーキを引いて列車を停止させた。煙の臭いがしたため乗客たちは消火器を手に取ったが、幸いなことに出火はなく、全員が無事だったという。
離脱した車両に乗っていたという別の女性乗客は、「火花が見え、焼けた臭いがして恐怖を感じた。自分たちの車両の連結が外れたことに気付き、脱線するか、別の列車に衝突されるのではないかと思った」と振り返る。
この女性によると、非常ブレーキをかけたのは、レンセラー工科大学の学生、ルーベン・クラークさんだった。「私たちの車両は列車から切り離されてスピードを上げていた。アムトラックの係員はいなかった。ルーベンさんは落ち着いて行動し、車両の前の非常用ブレーキを引いた。彼がいてくれて本当に良かった」と女性は胸をなでおろしている。