テスラのマスクCEOを「侮辱罪に」、SECが要請 合意違反で
ニューヨーク(CNN Business) 米証券取引委員会(SEC)は25日、米電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が昨年成立した和解合意に違反したとして、侮辱罪に問うよう求める書面を連邦裁判所に提出した。
マスク氏は2月19日、ツイッターに「テスラが2011年に生産した車はゼロだった。だが2019年には約50万台を生産する」と書き込んだ。しかしその数時間後のツイートで、今年の生産が実際には40万台にとどまるとの見通しを明らかにした。
マスク氏はこの間違いを訂正したが、SECは同氏の今回の投稿について、「またしてもテスラに関する不正確な重要情報が、ツイッターのフォロワー2400万人あまりに公開された。同氏は事前に会社の承諾を得ることなくツイートした」と指摘している。
2018年10月に成立したSECとの和解に基づき、マスク氏は株主にとって重要な情報をSNSに投稿する際は、事前に承諾を得ることが義務付けられていた。テスラはそうした投稿を監督する委員会の設置に同意している。
SECでは、マスク氏が誠意を持ってこの和解に従おうとする努力を一切しなかったと批判。同日裁判所に提出した書面の中で、テスラ株は時間外取引で4%以上下落したと指摘した。
マスク氏は昨年8月、テスラの非公開化の可能性に触れた一連のツイートが問題となり、投資家を欺いたとしてSECが提訴。10月には2000万ドルを支払うことで和解が成立し、マスク氏はテスラの会長職を退いた。
しかし12月には米CBSの番組の中で、SECに対する敬意の念はないなどと発言。SECは裁判所への提出書面で、マスク氏が和解合意を尊重しない証しとしてこの発言を引用した。