気候変動リスクへの耐性、北米経済が最高 英調査

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干ばつなどの気候変動が経済にもたらす影響について、地域別の分析が行われた/David Ramos/Getty Images Europe/Getty Images

干ばつなどの気候変動が経済にもたらす影響について、地域別の分析が行われた/David Ramos/Getty Images Europe/Getty Images

ニューヨーク(CNN Business) 気候変動が向こう数十年で世界経済に及ぼすリスクを分析したところ、北米地域ではその影響が最も低い水準にとどまるとの結果が出た。英誌エコノミストの調査部門が報告書をまとめた。

エコノミストの調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の報告によると、2050年までに、米国経済は気候変動の影響で1.1%縮小する。山火事や干ばつといった自然災害が経済成長の足かせになるとみられるためで、北米全体でも同程度の縮小が見込まれるという。

ただ他地域と比較すると、北米の気候変動リスクへの耐性は高い水準にある。西欧に関する予測は、向こう30年間で気候変動のために経済成長のペースが1.7%低下と、北米を上回る影響を受けるとされている。

最も耐性が低いのはアフリカ経済で、同期間に4.7%の縮小が見込まれる。域内の平均気温が他地域を上回り、経済の発展も不十分であることなど、現時点でより不利な状況に置かれている。

中南米と中東の経済も、アフリカに次いで気候変動の影響を顕著に受けるとみられる。アジア太平洋地域のリスク耐性は上位と下位の中間に位置し、経済規模で2.6%縮小する見通しだという。

一方で、世界全体の経済成長率は気候変動の影響で2050年までに3%低下すると予測。地域別の数値からは、発展途上地域の経済がより大きな打撃を受ける実態が浮かび上がる。

報告書は上記のリスク耐性について、単純に国が裕福かどうかだけでなく、政府機関の質によっても左右されると指摘。「政府機関が脆弱(ぜいじゃく)だと、経済成長を阻害すると同時に気候変動の悪影響が増幅する恐れもある」とし、治水設備や公共インフラへの投資が不足することでリスクに備える効果的な対策が打てなくなる可能性を示唆した。

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