米国産ワイン、5年ぶりの安値に カリフォルニア州のブドウが供給過剰
(CNN) 米カリフォルニア州でワイン用ブドウの生産が過剰になり、需要減退と相まって、ワインの値段は5年ぶりの安さになる見通しだ。安値は最大で3年続くという予想もある。
ワイン業界の動向に関する年次報告書をまとめたロブ・マクミラン氏は米国のワインについて、「過去20年で最も買い得になる」と予想した。
カリフォルニア州北部では2016年、広大な面積の畑に新しいブドウの木が植樹され、収穫の手段も効率化が進んでブドウの収穫量が増えた。
半面、生産量の増加を支えられるだけのワイン需要はなく、余ったブドウが廃棄されている。
ブドウ生産者団体の代表ジェフ・ビター氏によると、供給過剰の主な原因は、ここ数年にわたってワイン出荷量の伸びが鈍化していたところへ、2018年のワイン用ブドウの豊作が重なったことだった。ワインの出荷量は2015年まで20年間増え続けており、減速は業界にとって予想外だった。
カリフォルニア州の生産者は、市場の均衡を保つため、ワイン用ブドウの栽培面積縮小を余儀なくされる。まずナパから始まって、州内の主な優良種産地で調整に踏み切る予定だという。ブドウの価格が安定するまでには少なくとも2~3年はかかると見込んでいる。
業界団体のIWSRによると、米国ではリカー類や飲みやすいカクテル類の消費量が増える中、ワインの消費量は25年ぶりに減少に転じた。
マクミラン氏は、「これまで30年の間ワイン販売を押し上げてきたベビーブーマー世代は、いつまでも生きているわけではない」と指摘。ワインの値段が下がれば、まだあまりワインに親しんでいないミレニアル世代(1980~90年代生まれ)の消費量が増えるかもしれないと期待を寄せている。