米ユナイテッド航空、24機の運航停止 エンジントラブル受け
(CNN Business) 米ユナイテッド航空の旅客機が離陸後間もなくエンジン故障を起こしてデンバー空港に引き返した問題を受け、同航空は21日、プラット・アンド・ホイットニーPW4000系エンジンを搭載したボーイング777型機全機の運航を停止すると発表した。
これに先立ち米連邦航空局(FAA)も同日、緊急命令を出し、同型機の点検強化を発表した。
ユナイテッド航空は「慎重を期す」ための措置として運航停止を発表。対象となる24機は同航空が保有する777型機52機の一部で、残る28機は格納庫に残る。これは自主的かつ一時的な措置で、影響を受ける乗客は少数にとどまると同社は説明している。
FAAは20日のトラブル発生を受け、安全性に関して入手できるデータを全て検証したと説明。「プラット・アンド・ホイットニーPW4000系エンジンに特有のファンブレードについては、点検間隔を強化する必要があるとの結論に達した。同エンジンはボーイング777型機のみに使われている」とした。
国家運輸安全委員会(NTSB)は21日、トラブルを起こしたユナイテッド航空328便のプラット・アンド・ホイットニーPW4077型エンジンを調べた結果、ファンブレード2枚が破壊され、残るブレードも破損していたことが分かったと発表した。
ただし調査はまだ初期の段階であり、原因について結論を出すことはできないとしている。
直近の登録情報によると、今回のトラブルを起こしたエンジン搭載の航空機が運航されているのは米国と日本、韓国のみ。米国ではユナイテッド航空のみが運航している。
日本の国土交通省は国内の航空会社に対し、プラット・アンド・ホイットニーPW4000系エンジンを搭載したボーイング777型機の運航を停止するよう指示した。
NTSBによると、21日には地元のNTSBによる調査を支援するため、調査責任者や専門家がデンバー入りした。調査ではエンジンや機体、同機に搭乗していた乗客が撮影した画像や映像を調べるとともに、飛行データやコックピットのボイスレコーダーも検証する。