Macを狙う正体不明のウイルス、世界で約3万台に感染 セキュリティー企業
ニューヨーク(CNN Business) アップルのパソコン「Mac」に感染する正体不明のウイルスが、世界中で拡散している。セキュリティー企業のレッドカナリーによると、これまでに約3万台で感染が確認されているという。
同社が「シルバースパロウ」と命名したこのウイルスは、感染したとしても、Macを狙う不正プログラムによくあるような迷惑な広告を表示させるといった挙動を引き起こすことはなく、目的は分かっていない。
同ウイルスには自らを破壊する仕組みが搭載されているものの、これまでのところその仕組みは使われていないと思われる。何が引き金となってこの仕組みが発動するのかは不明だ。
特筆すべきこととして、シルバースパロウにはアップルが独自開発した「M1」チップで動作するコードが含まれていた。M1を搭載したMacが発売されたのは昨年11月。ニューサイトのアーズテクニカによると、M1に対応したウイルスが見つかったのはこれで2番目だという。
「我々はまだ、シルバースパロウの悪質な機能を観測していない。だが、先を見越したM1チップへの対応や、世界的な拡散、比較的高い感染率、運用の成熟度を考えると、シルバースパロウは深刻な脅威と判断できる」。レッドカナリーの研究チームはそう指摘している。
ウイルス対策サイト「Malwarebytes」のデータによると、2月17日現在、シルバースパロウは世界153カ国で感染が確認されており、特に米国、英国、カナダ、フランス、ドイツで集中度が高い。