パニック買いでガソリン価格急騰、売り切れ続出 米石油パイプライン攻撃受け
ニューヨーク(CNN Business) 米石油パイプライン大手コロニアル・パイプラインの操業を停止させたサイバー攻撃を受けて米東海岸で買いだめの動きが広がり、燃料が売り切れるガソリンスタンドが続出している。
燃料価格・需要調査アプリの「ガスバディ」によると、現地時間の11日午後4時現在、ノースカロライナ州で8.5%、バージニア州では7.7%のガソリンスタンドでガソリンがなくなった。同日午前11時と比較すると、バージニア州は横ばい、ノースカロライナ州は5.8%から増加した。
ガソリンスタンドの供給停止はジョージア州(5.8%)、フロリダ州(2.8%)、サウスカロライナ州(3.5%)で報告されている。
ガスバディのアナリスト、パトリック・デ・ハーン氏はCNNビジネスの取材に対し、パニック買いがガソリンスタンドを枯渇させていると分析。不合理な行動のために、供給問題が何週間も長引く可能性があると語った。
自動車保険会社AAAカロライナズのティファニー・ライト氏は、「一家全員の車でガソリンスタンドにやって来て、必要もないのに満タンにしていく」と無責任な行動を批判。「この状況で自分たちにとっての最大の敵は、ガソリンスタンドで過剰消費している我々自身だ」と憤る。
米エネルギー省のジェニファー・グランホルム長官は11日、ホワイトハウスで行った記者会見で「パンデミック当初にトイレットペーパーを買いだめする理由がなかったように、ガソリンを買いだめする理由はない」と述べて買いだめを思いとどまるよう国民に促し、「パイプラインは今週の終わりから週末までに大部分の操業を再開するはずだ」と強調した。
ガソリン供給状況に関する情報への需要も急増してガスバディのアプリやウェブサイトも障害に見舞われ、断続的につながりにくくなっている。
ガスバディによれば、10日のガソリン価格は米全体で前週に比べて20%急騰した。
コロニアル・パイプラインがガソリンを供給しているジョージア州など東海岸の5州では、需要が40.1%増大している。