アルコール度28度の限定ビール「ユートピア」、強すぎて15州で販売禁止
ニューヨーク(CNN) 米ビール大手のサミュエルアダムスが、2年ごとに売り出している限定醸造ビールの新製品を10月に発売する。このビール、あまりにも強すぎるという理由でアラバマ州など15州では販売が禁止されている。
今回発売されるのは同社が2年ごとに売り出す「ユートピア」シリーズの第12弾で、10月11日から店頭に並ぶ予定。しかしユートピアのアルコール度数は28度と、普通のビールの5倍以上。このためアーカンソー、ジョージア、アイダホなど15州では販売できない。
もっとも、たとえ販売できる州でも入手は難しいかもしれない。サミュエルアダムスのウェブサイトによると、ユートピアは2年ごとに1万3000本前後しか醸造しない。希望小売価格は25.4オンス(約750ミリリットル)入りのボトル1本240ドル(約2万6000円)。
サミュエルアダムス創業者で醸造家のジム・コック氏は、「ユートピアの樽(たる)熟成とブレンドのプロセスは約30年前に開発し、今も由緒あるその伝統を守り続けている」とコメントした。
ユートピアは2002年に初めて発売されて以来、年々値段が上昇している。17年版は199ドルになり、19年はさらに10ドル値上がりした。今回のユートピアは仕上げに約900キロ分のチェリーを使用し、一部はさまざまな樽で最大24年間熟成させている。
サミュエルアダムスは、初めて民間の観光客のみで宇宙に滞在して18日に帰還した「インスピレーション4」の公式ビールに採用された。同ミッションは米セントジュード小児がん病院のための募金集めを担っており、コック氏とインスピレーション4の搭乗者の署名が入ったユートピのボトルは、同病院が開く慈善オークションに出品される。