9月の米消費者物価、前月比0.4%上昇 再び13年ぶりの高水準に
ニューヨーク(CNN Business) 米労働省統計局が13日発表した9月の消費者物価指数(CPI)は、前月比(季節調整済み)0.4%の上昇となった。米国の物価上昇率は8月にやや減速していたが、今回は13年ぶりの高水準に戻った。
増加分の半分以上は食料価格や住居費によるものだが、新車や家庭用品、自動車保険の価格も上昇した。新車価格を追跡する指数は9月までの12カ月で8.7%増と、1980年以来の伸びを示している。
エコノミストのサン・ウォン・ソン氏は、家賃や帰属家賃を含む住居費の上昇は警戒すべき水準にあると説明。「住居費は昨年ほとんど上昇しなかったが、ここにきて上がり続けている」と指摘した。
全体では、9月の物価上昇率は前年同月比5.4%となった。比較的変動の大きい食品・エネルギー価格を除いた上昇率は同4.0%と、8月と同じ値だった。
食料品店での価格が軒並み上昇する中、9月の食料価格は前月比で0.9%増となった。ただ、航空運賃は低下を続けており、8月の9.1%減に続き9月も6.4%減だった。
エネルギー価格は前月比1.3%増と4カ月連続で上昇。天然ガス価格は1.2%増で、前月に比べ小幅な伸びとなった。前年同月比で見ると、エネルギー価格は24.8%近く、天然ガス価格は42.1%上昇している。
今月はエネルギー価格の変動が激しく、今週前半には米原油価格がほぼ7年ぶりに80ドルを突破した。10月には物価上昇に占めるエネルギー価格の寄与度がさらに高まる可能性もある。
インフレ率はもう長い間、米連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%前後を上回る水準で推移しているように感じられる。ただFRBは、新型コロナウイルス下の経済の特徴となっている物価高が一時的なものにとどまるとの見方を崩していない。