イーロン・マスク氏、1070億円相当のテスラ株を新たに売却
ニューヨーク(CNN Business) 米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が15日、9億3100万ドル(約1070億円)相当のテスラ株を新たに売却したことがわかった。マスク氏は6取引日連続でテスラ株を売却しており、累計額は78億ドルに上る。
15日の売却はマスク氏が2カ月前に策定したストックオプション(自社株購入権)行使計画の一環。オプションは来年8月で失効する。最高経営責任者(CEO)のような企業のインサイダー(内部者)は、自社に関して入手しうる非公開情報の影響を受けずに自動的に売却が実行されるよう、株式の売却計画を策定することが許可されている。
今回の売却に先立ち、マスク氏は6~7日にかけてツイッターで投票を行い、課税所得を増やすため自社株10%を売るべきかどうか尋ねていた。ただ、15日の売却はツイッターの投票結果を受けた動きというより、来年8月の失効前にストックオプションを行使する必要性や、オプション行使後に税金を払う必要性のほうが大きかった。
マスク氏が15日に証券取引委員会(SEC)に提出した書類では、今回の売却は「ここに報告した210万7672株の購入に関連する源泉徴収義務を果たすことが唯一の目的」だとしている。
15日のオプション行使とその後の売却は、8日の取引とほぼ同じ内容だった。
マスク氏は8日、220万株の購入オプションを行使した後、計11億ドルで93万4000株を売却。15日には210万株の購入オプションを行使し、再び93万4000株を売却した。売却額の違いは先週1週間でテスラの株価が下落したことによる。マスク氏が売却した株数も株価押し下げの一因となっている。
ただ、これまでの売却株数はマスク氏が保有するテスラ株の5%以下に過ぎない。同氏はまだ1860万株を購入する権利を保持していることから、今後さらなる売却が行われるのはほぼ確実だ。