「機体追跡アカウント削除して」、マスク氏が19歳に57万円の支払い提案
ニューヨーク(CNN Business) 米電気自動車(EV)大手テスラなどを率いるイーロン・マスク氏が19歳の青年に対し、自身のプライベートジェットを追跡するツイッターアカウントを削除してくれれば5000ドル(約57万円)支払うと持ちかけたものの、青年からその10倍の額を要求される出来事があった。
この青年はフロリダ州在住のジャック・スイーニーさん。「ElonJet」のユーザー名で15万人を超えるフォロワーを集める。同アカウントではマスク氏のフライトを追跡する目的でスイーニーさんが開発したボットを使用しており、離着陸の時間と場所や航続時間を自動でツイートしている。
Took off from Hawthorne, Elon got PIA blocking program but already found the aircraft. pic.twitter.com/nOxNUxy5y5
— Elon Musk's Jet (@ElonJet) January 26, 2022
大学1年生のスイーニーさんは他にも、ビル・ゲイツ氏やジェフ・ベゾス氏を含む著名なIT関係者の移動を追跡するボットアカウント十数個を開発した。
この件について最初に報じたニュースサイト「プロトコル」によると、マスク氏から初めてダイレクトメッセージが届いたのは昨年11月30日。
マスク氏はスイーニーさんに「これを削除できないかな」と尋ね、「安全上のリスクだから」と理由を語ったという。
その後、マスク氏は「頭のおかしい人々」にフライトを追跡されるのを防ぐためとして、5000ドルを提示。これに対しスイーニーさんは、大学の学費やテスラのモデル3の購入費用に使える可能性があるとの理由で5万ドルを要求した。
マスク氏が「変なやつに撃たれるのは嫌だ」と訴える場面もあったという。
最後にやり取りがあったのは1月19日で、マスク氏は「これを削除するためにお金を払う」のは正しくないと感じると発言。これに対し、スウィーニーさんは「インターンシップのような金銭報酬以外のオプションがあれば、削除はもっと簡単になりますよ」と返信した。マスク氏は今のところ反応していない。
スイーニーさんは大型ロケット「ファルコンヘビー」が2018年に初めて打ち上げられてからというもの、マスク氏が経営するスペースXのファンだ。父親が航空会社に勤務している影響で航空への興味が高じたという。