ドイツ、天然ガス不足の恐れで「早期警戒」 ロシアのルーブル払い要求で

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独ベルリン郊外マルノウにある天然ガスの圧縮施設/Patrick Pleul/picture alliance/Getty Images

独ベルリン郊外マルノウにある天然ガスの圧縮施設/Patrick Pleul/picture alliance/Getty Images

ロンドン(CNN Business) ロシアが天然ガスの代金を同国の通貨ルーブルで支払うよう要求していることを受け、ドイツはガス不足に備える「早期警戒」の宣言を出した。

ドイツ政府は国内の企業や病院、各家庭に対し、ただちにガス使用量をできる限り減らすよう呼び掛けた。

ハーベック経済相は30日の声明で、今のところガスの供給不足には陥っていないが、事態の深刻化に備える必要があると述べた。現在の備蓄は貯蔵可能量の約25%だという。

欧州連合(EU)は天然ガスの約40%をロシアからの輸入に頼っている。特にドイツは、欧州最大のロシア産ガス消費国だ。

EUの対ロシア制裁ではエネルギー産業への新規投資が禁止されたが、ロシアからの原油、天然ガスの輸入は対象外となっている。

プーチン・ロシア大統領は米欧などからの天然ガス代金をルーブル建てのみとする構えを示しているが、ハーベック氏は「受け入れられない」とはねつけ、主要7カ国(G7)もこの立場を支持した。

ロシアの中央銀行が外貨取引を規制されたため、プーチン氏はルーブル建ての現金収入を必要としている。ハーベック氏は28日、ルーブルの支払いに応じればその資金は戦争遂行に使われる恐れがあると指摘した。

EUは今年、ロシア産ガスの消費を最大66%削減する方針だ。しかし代わりの調達先を確保するのは難しく、ロシアからの供給が途絶えれば不況は避けられないとの見方が強い。

ドイツの「早期警戒」は3段階の最初のレベルで、今後事態が悪化すれば「警報」、さらに「緊急」のレベルまで引き上げる可能性がある。

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