ロシア第二の石油会社、CEOが辞任 英制裁対象に指定後
ロンドン/パリ(CNN Business) ロシア第二の石油会社ルクオイルのワギト・アレクペロフ最高経営責任者(CEO)が辞任の意向を示したことが分かった。ルクオイルは21日の声明で、同氏から取締役と社長を「辞任するとの決断」について連絡があったと明らかにした。
ルクオイルは辞任の理由を明らかにしていないが、この数日前、アレクペロフ氏は英国の制裁対象に指定されていた。同社は7週間前、プーチン大統領と異なる方針をとり、ウクライナでの戦争の終結を呼び掛けていた。
ロイター通信は事情に詳しい情報筋の話として、アレクペロフ氏は自身が制裁対象となったことを受け、会社の事業を守るために辞任を決めたと伝えた。
ルクオイルは世界の原油生産の2%あまりを手掛け、10万人超を雇用する。世界数十カ国で事業を展開しており、ロシア国内では国有石油大手ロスネフチに次ぐ規模を誇る。
ルクオイルの取締役会は3月上旬、株主や職員、顧客への声明で「今回の武力紛争の一刻も早い終結」を呼び掛け、被害者への共感を示すとともに、持続的な停戦や交渉を通じた問題解決を強く支持する姿勢を打ち出していた。
ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、アレストビチ氏の資産総額は160億ドル(約2兆500億円)。英国は今月、同氏の資産凍結や入国禁止を決定した。
商社や石油会社がロシア産原油を敬遠する現在、ルクオイルは大きな困難に直面している。米国が主導するロシア産石油の禁輸措置に欧州が加われば、状況は一段と厳しさを増す可能性がある。
モスクワ市場での同社の株価は侵攻開始から約28%下落し、21日も2%あまり値を下げた。