ロシアが併合行えば制裁で「1917年の貧しさに」 ゼレンスキー氏
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は21日夜の演説で、いかなる併合の試みも1917年の内戦後のように国を貧しくする制裁につながるとロシアに警告した。
「率直に言う。『ヘルソン人民共和国』などというものは許されない。新たな併合を望むなら、それはロシアへのさらなる強力な制裁をもたらすだけだ。1917年の内戦以来、経験したことのないような貧しい国にすることになる。だから今、平和を求めた方がいい」とゼレンスキー氏は語った。
同氏は、南部のヘルソンとザポリージャの住民に、ロシア軍に提供する情報には十分注意するよう呼び掛けた。
「質問への記入を求められたり、パスポートのデータをどこかに残すように求められたりしたら、それはあなたを助けるためではない。モスクワから命令が出た場合、いわゆる住民投票を偽造することが目的だ」と述べた。
ゼレンスキー氏は、キーウ(キエフ)に到着したスペインとデンマークの首相に感謝の意を表し、ウクライナ、特にミコライウの戦後復興を支援する用意があると表明したデンマークの首相に謝意を示した。
また、ゼレンスキー氏は「米国はウクライナへの新たな支援策を発表した。このパッケージには、我が国の軍隊にとって非常に強力な防衛手段が含まれている。具体的には、我々が望んだ大砲、砲弾、ドローンだ」と述べ、米国の追加支援にも感謝した。
これに先立ち、ゼレンスキー氏はポルトガルの国会で演説し、21日時点でロシア軍はキーウ州だけで少なくとも1126人のウクライナ人を殺害し、そのうち40人は子どもだと述べた。ロシア軍は占領した領土から少なくとも50万人のウクライナ人をすでに「強制移送」させたとも指摘した。