ウクライナ人480万人が失業、ロシアの侵攻以降 国連機関
(CNN) ロシアによる侵攻が2月に始まって以来、ウクライナでは推定480万人が職を失った。国連機関の国際労働機関(ILO)が11日に発表した報告書で明らかになった。
報告書は「交戦が拡大した場合、雇用損失は700万人に増える」と推定し、「戦闘がすぐさま停止した場合、急速な回復が可能で、340万人の雇用が回復する」と強調している。そうすれば雇用損失は8.9%に抑えられるという。
職を失った480万人のうち、120万人が近隣諸国に逃れた難民で、360万人がウクライナに住む失業者だ。
2月24日以降、主に女性や子ども、60歳以上の523万人超の難民が近隣諸国に逃れていると報告書にはある。
ウクライナの危機は近隣諸国、主にハンガリー、モルドバ、ポーランド、ルーマニア、スロバキアに労働面で混乱をもたらす可能性があることも指摘している。
「交戦が続けばウクライナ難民はより長い亡命生活を余儀なくされる。これらの周辺国の労働市場や社会保障制度にさらなる負荷をかけ、多くの国で失業が増加する」という。
報告書はまた、ウクライナ政府がデジタル技術の活用により、国内避難民などへの給付金支払いを保証し、国の社会保障制度を維持するために相当な努力をしたことも指摘している。