「アジアで最も裕福な女性」、資産の半分超を失う 中国不動産不況で
香港(CNN Business) 中国不動産危機の深刻化に伴い、アジアで最も裕福な女性として知られる楊恵妍氏(41)の資産が240億ドル(約3兆2300億円)近くから110億ドルに減少したことが分かった。ブルームバーグ通信の長者番付「ブルームバーグ・ビリオネア指数」で明らかになった。
楊氏は売上高ベースで中国最大の不動産開発企業、碧桂園控股の支配権を持つ。同氏の株式の大部分は1992年に同社を創業した父親から譲渡されたものだ。
碧桂園の株価は今年、半分あまり値下がりした。住宅価格下落や購入需要の減退、一部の大手不動産開発企業を襲った債務不履行危機の影響で、中国不動産業界が苦境に陥っていることが背景にある。
ただ、ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、楊氏は依然として「アジア一裕福な女性」の地位を保っている。純資産の減少で中国の他の女性富豪との差は縮まっており、化学繊維メーカーの恒力石化を率いる范紅衛氏が約1億ドル差まで迫る。
中国では昨年12月、国内不動産企業で最大の債務を抱える恒大集団が数カ月に及ぶ流動性危機の末、ドル建て社債で債務不履行に陥った。以降、他の大手不動産企業も債権者からの保護を申し立てている。
不動産危機はここ数週間でさらに深刻化。未完成の住宅に頭金を払った購入者が不満を募らせ、時間内に完工しなければ住宅ローンの支払いをやめると宣言する事態も起きている。