英紙幣470万枚超、女王の肖像を国王に入れ替えへ

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英国の紙幣や硬貨にあしらわれた女王の肖像が国王チャールズ3世の肖像に入れ替えられる/Jim Dyson/Getty Images

英国の紙幣や硬貨にあしらわれた女王の肖像が国王チャールズ3世の肖像に入れ替えられる/Jim Dyson/Getty Images

ロンドン(CNN Business) 英エリザベス女王の死去を受け、世界中で流通している紙幣や硬貨にあしらわれた女王の肖像が、新国王チャールズ3世の肖像に入れ替えられる。

英国の硬貨はほぼ70年にわたり、女王の年齢に合わせて異なる肖像画が刻まれてきた。同国の紙幣にも60年以上の間、女王の肖像があしらわれていた。英国の君主としては初めてだった。

女王の肖像は、かつて英国の統治下にあった複数の国でも使われている。

英国の硬貨にはエリザベス女王が即位した翌年の1953年以来、5種類の女王の肖像が刻まれてきた。60年からは紙幣にも女王の肖像が入り始めた。

しかし紙幣を発行する中央銀行のイングランド銀行と、硬貨を鋳造する英王立造幣局は、現在流通している通貨を、国王の肖像入りの通貨に入れ替えるという膨大な作業を行うことになる。

イングランド銀行によると、英国内では470万枚超、総額820億ポンド(約14兆円)相当の紙幣が流通している。造幣局によれば、貨幣は約290億枚が出回っている。

新しい紙幣や硬貨は段階的に導入される見通しで、当分の間は古いものと新しいものが共存することになる。

入れ替えが必要になるのは現金だけにとどまらない。郵便ポストや新規発行のパスポートなどの紋章も入れ替えが必要になる。

イングランド銀行と王立造幣局は、服喪期間が明けた後に、紙幣や硬貨の入れ替え計画を発表する予定。

英連邦を構成する54カ国でも、紙幣や硬貨に女王の肖像が使われている。

女王を国家元首とするカナダは、プラスチック製の20ドル紙幣に女王の肖像が入っている。カナダ銀行の広報は「現在のポリマー製の20ドル紙幣は、今後何年も流通させることを意図している。君主が変わっても、定められた期間中にデザインを変更しなければならない法的義務はない」とCNN Businessに語った。

オーストラリアも5ドル紙幣に女王の肖像が入っている。オーストラリア準備銀行は9日、「当面の間」、紙幣に変更はないと説明。5ドル紙幣の回収は行わず、今後何年も流通し続けるだろうと言い添えた。

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