FRB、3回連続で0.75%の利上げ
ワシントン(CNN Business) 米連邦準備制度理事会(FRB)は21日、3回連続となる0.75%の大幅利上げを承認した。歴史的な措置に踏み切ることで加熱するインフレを抑え込み、米国経済の苦境に対処しようとしている。
数カ月前には考えられない大幅利上げにより、政策金利の新たな目標は3~3.25%の範囲に決まった。これは世界的な金融危機が発生した2008年以来の高水準。
インフレ抑制としては1980年代以降で最も強硬な措置をとったことで、米国の多くの企業や世帯は経済的打撃を被る公算が大きい。住宅や自動車の購入、クレジットカードの利用などで借入コストが押し上げられるためだ。
FRBのパウエル議長は記者会見で、今回の急速な金融引き締めが経済的痛手をもたらす可能性があることを認めた。その上で、今後リセッション(景気後退)につながるのかどうか、仮にそうであるならその規模はどのくらいか、といった点は誰にも分らないと述べた。
FRBが公開した四半期ごとの経済予測によると、来年の失業率見通しの中央値は6月時点の3.9%から4.4%に上昇。現行の3。7%から大幅に高まるとの結果が出た。
国内総生産(GDP)は、6月時点のプラス1.7%から同0.2%に下方修正された。バンク・オブ・アメリカ(BofA)が推計していた修正後の値は0.7%だったが、それを大きく下回る形となった。