ハイネケン、ロシア事業を158円で売却 昨年3月からの撤退手続き完了
ロンドン(CNN) オランダのビール大手ハイネケンは25日、ロシアから撤退したことを明らかにした。同国での事業を象徴的な1ユーロ(約158円)という金額で売却したとしている。
ハイネケンは同日の声明で、事業売却に必要な承認が得られたと発表した。売却先はロシアのメーカー、アーネスト・グループ。これにより2022年3月に開始したロシア撤退の手続きが完了した。
ハイネケンのファン・デン・ブリンク最高経営責任者(CEO)は、「ここ最近の進展から明らかなように、規模の大きいメーカーがロシアから撤退しようとすれば相当難しい課題に直面する」と説明。当初の期待より時間はかかったものの、結果として従業員の雇用を確保し、責任ある形での撤退が可能になったと示唆した。
ハイネケンは事業売却での損失を3億ユーロと見込んでいる。
ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始した22年2月、多くの多国籍企業がロシアから撤退、もしくは撤退の計画を明らかにした。しかし過去1年半、ロシア政府による措置で西側企業がロシアでの資産を売却するのは一段と困難になっていた。
これらの企業は現在、そうした売却に当たってロシア政府に巨額の手数料を支払うことも義務づけられている。
アーネスト・グループは化粧品や家庭用品などの製造を手掛ける。今回の事業売却の一環として、ロシア国内にいるハイネケンの全従業員1800人に対し、向こう3年間の雇用を保証している。