米ボーイングの元内部告発者、「自らを銃で撃って」死亡か 遺体発見

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米ボーイング機の生産基準に関する問題を内部告発した元従業員が遺体で見つかった/Samuel Corum/Getty Images/File

米ボーイング機の生産基準に関する問題を内部告発した元従業員が遺体で見つかった/Samuel Corum/Getty Images/File

(CNN) 米航空機大手ボーイングの生産基準に関して深刻な懸念を提起した元従業員の男性が先週末、サウスカロライナ州チャールストンで遺体で見つかったことが分かった。同郡の検視事務所が明らかにした。

検視事務所によると、ジョン・バーネット氏(62)は今月9日、「銃で自らを撃ったことによるとみられる傷」が原因で死亡した。地元警察によると、捜査員が調べを進めており、正式な死因の判明を待っている状況。死亡時の状況にさらなる光を当てる追加の手がかりがないかも調べている。

弁護士がCNNに提供した声明では、「ジョンは内部告発者への報復訴訟で証言録取を行っている途中で、証言はようやく終わりに近づいていた。彼は意気軒高としていて、人生のこの段階に終止符を打って前に進むことを本当に楽しみにしていた。自ら命を絶つような兆候は全くなかった。自殺だと信じる人はいない」と述べ、バーネット氏の身に何が起きたのか、もっと情報が必要だとの認識を示した。

バーネット氏の遺族は米公共ラジオ放送(NPR)の取材に、6月に事実審理が予定されていたと明かし、「(バーネット氏は)法廷で証言するのを楽しみにしていた。ボーイングに企業文化の変更を迫る証言になると期待していた」と言い添えた。

弁護士の声明ではバーネット氏を「極めて誠実で、勇敢かつ率直な男だった。家族や友人、ボーイング社の同僚、パイロットや乗客のことを深く気にかけていた。あれほど誠実でまっすぐな性格な人にはめったに会えない」と形容している。

警察の報告書によると、9日午前10時20分ごろ、警官隊がチャールストンのホテルに様子見に派遣された。到着した警官隊は、駐車場に停車したトラックの運転席にいるバーネット氏を発見。頭部に銃による傷があり、拳銃を手にした状態だった。その場で死亡が確認されたという。

警察の報告書では、遺体の隣にメモとみられる紙片が見つかったとも述べている。

報告書によると、ホテルは「ロブ」を名乗る人物から電話を受けた。この人物から「同僚のジョン・バーネット」の様子を見に行ってほしいと依頼され、ホテルの従業員は駐車場のトラックにたどり着いた。

BBCの報道によると、バーネット氏は法的な聞き取り調査に応じるためチャールストン入りしていて、9日に追加の聴取を受ける予定だったという。だが姿を表さず、その後死亡が確認された。

ボーイングはバーネット氏の死に関してコメントを求められ、声明で「悲しみを覚えている。我々の思いは彼の家族や友人と共にある」と述べた。

バーネット氏は数十年にわたりボーイングの品質管理マネジャーを務めていた人物。CNNが報じた米紙ニューヨーク・タイムズの2019年の報道によると、「飛行制御系統の配線に垂れ下がっている金属片の束」を発見し、もしこうした「鋭利」な破片が配線を「突き破れば」、「壊滅的」な結果を招く可能性があると語っていた。

一方、工場の現場責任者で787プログラムのゼネラルマネジャーを務めていたブラッド・ザバック氏は当時、CNNに提供した声明で、タイムズ紙の報道は「このプログラムや(工場の)チームに関してゆがんだ不正確な伝え方をしている」と説明。タイムズ紙を工場訪問に招待したが断られたとも証言し、「品質は我々の屋台骨」であり、工場は「最高品質の航空機」を納品していると述べていた。

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