米テスラ、中国とドイツでも値下げ 米国に続き
香港(CNN) 米電気自動車(EV)大手テスラが米国での値下げに続き、中国とドイツでも値下げを発表した。
今回の値下げは、テスラが昨年初めから行ってきた一連の値下げに続くものだ。従来の自動車メーカーが提供するEVとの競争が激化し、金利の上昇によって購入者の自動車購入費用が上昇する中、同社は需要を維持しようとしている。値下げは利益率を圧迫しており、同社の株価は23日の取引終了後に発表される予定の第1四半期決算報告を前に22日の取引で約4%下落した。
テスラは21日、米国外で最大の市場である中国本土で販売される4車種の販売最低価格を1万4000元(約30万円)引き下げた。同社のベストセラーである「モデルY」の販売最低価格は24万9900元で史上最も低い価格となっている。
テスラにとって欧州最大の市場であるドイツでも、公式サイトによると「モデル3」の価格が2000ユーロ(約33万円)引き下げられ、4万990ユーロになった。
テスラは19日、米国での値下げを発表。5車種のうち3車種の値下げに踏み切った。モデルY、「モデルX」「モデルS」はそれぞれ2000ドル(約31万円)引き下げ、モデル3と「サイバートラック」の価格は据え置いた。
テスラの中国での値下げによって、EV分野の価格競争が激化しそうだ。
中国のEVメーカー理想汽車(リ・オート)は22日、4車種すべての価格を引き下げると発表した。世界最大の乗用EVとされる「リ・メガ」は、現在3万元安く販売されている。
中国のEV大手BYDのエントリーモデルは、中国では1万ドル弱で販売されている。テスラの最も安価な車種であるモデル3の価格は21日の中国での値下げ後でもなお、BYDの3倍の3万2017ドルだ。
中国のEV価格競争は2022年10月に景気減速で消費者が支出を削減する中、テスラが販売台数を伸ばすために値下げを行ったことに端を発している。ガソリン車メーカーを含むほぼすべての主要メーカーが追随し、自動車業界全体の利益率に影響を与えた。
大手自動車メーカー30社以上が追加値下げを発表しており、24年も競争が落ち着く気配はみられない。