「オバマ」候補が乱立、「バットマン」や「ランボー」も ブラジル地方選
ブラジル・ベロオリゾンテ(CNN) 10月7日に投票が行われるブラジルの地方選挙で、米大統領にあやかった「オバマ」を名乗る候補が乱立している。
有名人の名で出馬するのは、覚えやすさで注目を集めて票を稼ごうという狙い。少なくとも16人が「オバマ」の名で立候補を届け出ており、「リカルド・オバマ」「ウィルソン・オバマ」などのほか、「バラタ(ゴキブリの意味)・オバマ」を名乗る候補もいる。
ほかにも「バットマン」「スーパーマン」「ランボー」などの候補が続出し、選挙運動にはコスプレで登場。「ビンラディン」候補は「腐敗を吹き飛ばす」と公約した。
こうした有名人やキャラクター名を使う候補が増えたのは、前回の議会選挙に出馬したテレビの人気コメディアンが、最多の票を獲得したことがきっかけだった。
ブラジルではスポーツ選手から政治家に至るまで、あらゆる有名人がファーストネームや愛称で通している。前大統領のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ氏も大統領選では「ルラ(イカの意味)」で通し、現職のジルマ・ルセフ大統領も国内では「ジルマ」で通用する。今回の地方選挙では140人以上の候補者が「ジルマ」の名を採用した。
同国南東部ベロオリゾンテの市議会選挙に「オバマ・BH」の名で立候補したジェルソン・ジャヌアリオ・デ・アルメイダ氏はこうした現象について「政治の腐敗があまりにも蔓延(まんえん)しているので、有権者は実在の人物ではない候補者に投票したがる」と解説する。これまでオバマ大統領の物まねで注目を集めてきた同氏だが、選挙戦では皮肉にも医療改革を訴える。
同氏によると、米大統領選の共和党候補にあやかった候補はいないというが、もし米大統領選でバラク・オバマ氏が負ければ「ロムニー」を名乗る候補者が出てくる可能性もある。