絶滅寸前のスナメリ、中国の研究者が保護活動
中国・武漢(CNN) 中国の長江(揚子江)に生息するイルカの仲間「スナメリ」を絶滅の危機から救おうと、地元の研究者たちが保護活動に力を入れている。
スナメリは海にすむイルカよりも小型でくちばしも短く、小さな群れで行動する。汚染や乱獲で頭数が減り、今ではジャイアントパンダ以上の希少種になった。
最近実施された調査では、個体数は1000頭を切り、6年前に比べて激減した。世界自然保護基金(WWF)の担当者は「適切な対策を打たなければ、10年以内に絶滅するだろう」と危機感を募らせる。
長江に投棄される汚水は推定で年間約8億トン。「人間の活動によってスナメリは生息地を破壊され、餌は奪われ、殺傷されることさえある」と研究者は言い、生き延びられる可能性は低いかもしれないが、希望は捨てたくないと話した。
湖北省武漢にある水生生物学研究所では、地元の研究チームがスナメリの生態調査に当たっている。ここで繁殖させ、いずれ自然に返したい意向だ。
繁殖シーズンの今、スナメリたちは水中でダンスを見せる。笑っているような顔を水槽のガラスに押し付け、来場者の動きをじっと観察することもある。
武漢の西部にあってかつて長江の一部だった湖でも、一部を網で仕切ってスナメリが保護されており、存続をかけた「最後のとりで」として期待がかかる。
研究者たちは「かつてはスナメリのことなど誰も気にしなかったが、その態度は変わりつつある」と希望をつないでいる。