米ロの宇宙飛行士が帰還、宇宙分野の協力に支障なし
(CNN) 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していた米国とロシアの宇宙飛行士を乗せた宇宙船ソユーズが11日、カザフスタンに無事着陸した。
帰還したのは米国人のマイク・ホプキンスさんと、ソユーズ船長でウクライナのクリミア半島出身のオレグ・コトフさん、ロシアのセルゲイ・リザンスキーさんの3人。地上に降り立ったホプキンスさんは、ロシア人スタッフに支えられ、笑顔で「OK」サインを出した。
ISSの任務は若田光一さん、米国のリック・マストラッキオさん、ロシアのミハイル・チューリンさんが引き継いだ。この3人は5月中旬まで滞在予定。米航空宇宙局(NASA)によると、3月25日にはカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる宇宙船で、米国とロシア、ラトビアの宇宙飛行士が加わる。
地上ではクリミア半島情勢を巡って米ロの対立が深まっているが、NASA報道官は、「ロシアやウクライナの情勢が、我々の宇宙分野でのロシアとの協力関係に影響を及ぼすとは考えていない」と述べ、10年以上にわたって続いてきたISSの業務に支障が出ることは両国の利益に反するとの見方を示した。
米ロは宇宙開発分野では相互依存を強めており、NASAの宇宙飛行士はスペースシャトル計画の終了後、ロシアのソユーズでISSとの間を行き来している。
一方、専門家によれば、米国はロシアよりも進んだ技術を提供しているほか、訓練や管制などの業務でも両国が連携している。NASA報道官は、「米国とロシアの協力関係は今後も続く」と言明した。