英国初の「バイオ・バス」発進 排泄物や生ごみ利用
ロンドン(CNNMoney) 英国西部のブリストルとバースをつなぐバス路線に、同国初の「バイオ・バス」が登場した。燃料は住民の排泄(はいせつ)物や生ごみから発生させた「バイオガス」だ。
バイオ・バスは満タンで約300キロ走る。温室効果ガスの排出量はディーゼル式に比べ、最大30%削減することが可能だ。
ブリストル空港と古都バースの間で24日から運行を開始し、今後は1カ月に約1万人の乗客を運ぶ。
バイオガスを発生させる下水処理施設の運営業者、GENecoのモハメド・サディク氏は、「バイオ・バスは地元住民の力で走る。乗客の皆さんもその一部かもしれない」と話す。同氏によれば、人間1人の一年間の排泄物で、バスを約60キロ走らせることができるという。
バイオガスは有機物がバクテリアに分解されて発生する。主成分のメタンガスと二酸化炭素は無臭なので、においの心配はない。
英国ではすでに家庭用の暖房などに使われている。専門家によると、英国内の廃棄物をすべて活用すれば、同国の燃料需要の約1割をバイオガスでまかなうことができるという。