新発見の銀河に巨大なブラックホール 想定の30倍
(CNN) 宇宙のかなたで最近発見された銀河の中心に、理論上あり得ないほど巨大なブラックホールがあるとの観測結果を、英国の研究チームが発表した。
英キール大学とセントラル・ランカシャー大学の天文学者らが、英王立天文学会の学会誌MNRASに発表した。
銀河の名前はSAGE0536AGN。約90億年前に誕生したとみられ、米航空宇宙局(NASA)のスピッツァー宇宙望遠鏡による観測で発見された。
研究チームによると、銀河内のガスの回転速度を調べた結果、中心にブラックホールがあることが確認された。さらに南アフリカ大型望遠鏡でデータを収集したところ、ブラックホールはこの規模の銀河から想定される大きさの約30倍に及ぶことが分かったという。
チームを率いるキール大学のジャッコ・バン・ルーン博士は「銀河の大きさから考えて、これほど巨大なブラックホールはあり得ない」と話す。
研究者らによれば、このブラックホールは周囲を取り巻く銀河よりはるかに速いスピードで急成長した可能性がある。もしくは、銀河の成長が何らかの理由から途中で止まってしまったとも考えられる。
これは単なる偶然の現象なのか、あるいは新たなタイプの銀河が発見されたのか。チームはさらに研究を進める構えだ。