北極圏で144年前に沈没した捕鯨船発見 33隻中の2隻
(CNN) 米海洋大気局(NOAA)の調査チームはこのほど、ベーリング海峡の北に広がるチュクチ海で、19世紀に沈没した捕鯨船2隻の船体の一部を発見したと発表した。
NOAAによると、発見されたのは1871年9月に沈没した33隻の捕鯨船のうちの2隻。この船団は氷に囲まれ動けなくなり、徐々に破壊されて沈没したとみられている。
ソナーやダイバーによる調査のほか、気候変動による北極圏の氷の減少も発見の一因だとNOAAは指摘。「過去に例がないほど沈没船のある可能性の高い場所に近づきやすい」という。
この船団の乗組員1200人あまりは全員救助されたが、この沈没事故が米国捕鯨産業が衰退する大きなきっかけの一つになったと考えられている。
プロジェクトの共同責任者を務めるブラッド・バー氏は「これまでこの海域に沈没した船団があるという決定的な証拠は見つかっていなかった」「今回の探査は(捕鯨という)米国の海事遺産の重要な物語の最終章を書く機会を与えてくれた」と言及。また、「気候温暖化がこの地域の環境や文化に与える影響の一部を示すことにもなった」とも語った。
33 whaling ships sank in Alaska in 1871. We found 2 of them: https://t.co/qVlep1s0bl pic.twitter.com/1rLTFphWrP
— Sanctuaries (NOAA) (@sanctuaries) 2016, 1月 6