オタリア100頭以上の死骸漂着、餌激減が影響か チリ海岸
(CNN) 南米チリ北部の海岸に、過去3カ月で100頭を超すアシカの仲間オタリアの死骸が打ち上げられているのが見つかった。ほとんどは生後間もない赤ちゃんオタリアで、へその緒や胎盤が付いたままの死骸もあった。
地元アントファガスタ大学の研究者カルロス・ゲラコレア氏によると、死骸はチリ北部の海岸一帯のほか、隣国のペルーでも見つかっているという。
チリ北部のメヒヨネス半島沖に生息するオタリアは個体数が激減し、研究チームが定期的な海洋調査を行っていた。
ゲラコレア氏はオタリアの大量死の原因として、太平洋の海水温度が上昇するエルニーニョ現象の影響で、イワシの餌となるプランクトンが減り、魚が取れなくなったためメスが飢えて死産や流産につながったと解説する。
さらに、乱獲によってオタリアなどの海洋生物が餌とする魚が激減したことも追い打ちをかけた。
チリでは南部のペニャス湾でもクジラの大量死が報告され、国家漁業当局が調査に乗り出している。これまでの調査の結果、湾内で白骨化したクジラ70頭が見つかったほか、クジラとみられる死骸2体も発見された。こちらも食物連鎖の破壊が原因とみられる。
一方、ミナミアメリカオットセイは、浅瀬の魚が減っても深く潜って餌を取ることができるため、それほど大きな影響は出ていないという。